今朝萩の塚に着くと、ちょうど塚の真上辺りの樹上から普段聞き慣れない音がしている。
しばらく耳をそばだてていていると、「キツツキが木を叩く音だ」「コゲラだろうか」萩の塚にもキツツキが来てくれていることがとても嬉しかった。
まだ紅葉には早いが、萩の塚の早朝は涼しく蚊もめっきり減った。行き帰りはすっかり秋の気配である。
今は見られなくなったが、半世紀前のこの季節には、沢山の萩の花が萩の塚周辺には咲いていた。今でも三勲神社跡からソロプチミストの丘にかけては萩の花が見られる。今朝は栗が道に落ちていたので拾って帰った。
帰路、道に落ちていたイガグリ(柴栗)を幾つか拾っただけなので、採るのを目的ならもっと採れそうである。手では痛くて無理なこともよくわかった。靴で踏んで実を取りだした。落ちている栗の実だがさほど虫に食われていなさそうだ。自然の栗だから粒も小さいし味もさほど期待出来ないだろう。(*ゆがいて食べたら予想以上に美味しかった*)
萩の塚衆は抹茶を飲み談笑をするのが目的で萩の塚に来る。だから山の幸を採ることはまず無かったが話題には上がった。「今年もあそこのアケビが実をつけた」とか、「毎年あそこに咲く桔梗が楽しみだったが、誰かが二度と咲かない形で持って行った」。と言った話題が記憶に残っている。
確かに最近までアケビは見ることがあった。また桔梗も咲いていた。
私の小学校時分の思い出として友達と萩の塚の周囲で網タケを沢山採ったことを憶えている。、網タケは黒松や赤松林に生えるらしいので、現在はおそらく生えていないだろう。
しかしこんな住宅地に囲まれた操山だが、「いつの季節にここに何が生える」と、山菜採りやキノコ狩りを熟知した人が、手提げになにやら沢山採っているのに出くわすこともあった。そう言う人なら植生の変化や山の幸の今昔を私なんかよりずっとよく知っているはずだ。
網タケ <出典 山菜図鑑より>
これからだんだんと秋は深まっていく。
萩の塚へ行く。
抹茶を点てる。
萩の塚から帰る。
この時間の中で秋をしっかりと味わって
大切に過ごしたいと思っている