元旦 素晴らしい日の出が見られた。
塚の前で抹茶を点てて飲んでいると、数分間隔で3組の方が来られた。私も初日の出を見に来られたのだとわかっている。
1組目は高校生ぐらいであろうか、明るくなりかけた光の中で賢そうな男の子と、髪の長いきれいな女の子のカップルであった。
男の子の方から勇気を出して「初日の出を見たいのですがどこがいいですか」と、私に声をかけてきた。
私は「初日の出なら、向かいの尾根の旗振り台がきれいに見えるよ、そこの坂を下っていったら行けるから」と返事をすると、彼らは会釈をして立ち去った。
2組目はお父さんと小学校3年生ぐらいの親子で、近づいてくると塚の上に登って日の出方向を見ているから
「旗振り台から見る方が遮るものが無いからいいですよ。おそらく沢山の人が行っていると思います」と私の方から声をかけた
「やっぱり」とお父さんはそう言って立ち去って行った。
3組目は一人の中年男性で、私と目を合わせないようにして挨拶の返事もせず、塚の中に入ったり、塚の上に上がって双眼鏡を取り出して日の出を見ようとしているので、
「旗振り台から見る方が遮るものが無いからいいですよ」と声をかけると、
私を見ようともせず 「何年か前にあそこには行ったことがある」そう言って
立ち去って行った。
私は素晴らしい日の出に照らされて新年最初の萩の塚の掃除をいつもと変わらずに行った。しかしこの日はいつもとは違った出来事が萩の塚に有ったことがなんとなく嬉しかった。